雲田 はるこ / 昭和元禄落語心中(1巻~4巻)
めずらしく漫画書評!
週末1冊ずつ、4週立て続けに購入。
現在の既刊4巻までの書評。
まず、ウマい。
画といい、構成といい、ウマい。
流れる映像を見ているよう。
文字、画、構成、台詞、どれをとっても基本的には淀みがなくて、スッと物語に入っていけます。
登場人物は多くないのだけど、
とくに菊比古と助六の関係は誰が見ても、愛しく、それでいてもどかしく、で、
クライマックス(助六の死)に着々と近づいていくというこのドキドキ感がハンパなく面白いです。
そんで、その悲劇を回収するのが、八雲と与太郎偏。
ってことで、これは楽しみですね~。
落語自体も、とってつけた感じではなく、
何がどう面白いかを、紙面上で高座の様子やキャラクターの表情や、いろいろな方法で表現してくれてることで、読み手は、かなり自然と「落語を聞いてみたい」「寄席に行ってみたい」と思うことが出来ると思う。
その表現あっての、登場人物の人生があるから。
これはかなりスゴイ。と思っている。
この点、「三月のライオン」は、「将棋やってみたい」とか「将棋の試合を見てみたい」と、あんまり思えない作品。
作品そのものは大好きだけど。
まぁ、作者はわざとそこに力を入れないようにしている・入れる必要が無い・入れないほうが本来の目的を達成できる、等、の理由があってそうしているのだと思う。
一冊が映像作品みたいで、ささーっと読めてしまうので、読後感はスッキリしています。
5巻も楽しみ。