庭山 一郎 / はじめてのマーケティング100問100答

2015-02-28interest 好奇心, IT, PR 広報・ブランディング

はじめてのマーケティング100問100答 (アスカビジネス)
入門書としておすすめされてたのを見たので。

たしかに、非Webネイティブ世代や広告・PR、ITに疎い人にとっては、かなり捉えづらいテーマだから、この「見開き2ページで一つの問に答える」というスタイルはいいかもしれないです。

かなり入門者向けなので、本当にマーケティングやPRについて全く知らない、あるいは、オフラインの営業畑だったから、ITっぽい話になるとどうも訳がわからない、という人には良書と思います。

※最初から通しで読むより、タイトルから引いて読むのをおすすめします。(おそらく、そういうふうに作ってある。)


でも、私には物足りなかった。
AS-ISを見誤りました。


4章くらいまでは正直ダルかった。
全問、2ページでおさめるように書いてあるから、う~んこの文字制限では、大事なところ語りきれてないよ、と思うところや、被ってるよねそれ言ってること…と思ってしまうことが何度か。
自身は、マーケティングに関しては完全に入門者だと思ってたけど、違うらしい。
考えてみれば、学生時代、セグメンテーションとか、ターゲティングに代表されるマーケティングは勉強してたっけ。
ただ、それはマーケット分析的な考え方で、顧客管理とかナーチャリングという観点は無かった。いつのまにか自分の中で「マーケティングは顧客管理が重要」と思って同一視できなくなってただけっぽい。
結局のところそれ含め筆者の言うマーケティングってことらしいので、頭の中整理できたのはとてもよかったです。
(そういえばナーチャリングに関してはほとんど記述がなかったな。)


さて、そんな中でも一番面白かったのは、「Q89 競合のお店を分析する簡単な方法」でのエピソード。
やっぱり服飾業界が、広報とかは1番先を行く面白い業界だよね~、と思いながら読んでました。
やってみたい。 
でもこれって店舗ありきの競合調査だよね(^_^;)
他の章では工業製品を作っている企業さんを中心に書かれているような感じだったのに(笑)

「責任者は経営トップに近い人を充てるべき」とか、それまでの「マーケティング=売れる仕組みなのでもっと重視すべき」みたいな流れは、理解できるけど、それどの部門でも全く同じ気持ちなんで、、、と思ってしまいました。
こういうのは、100問100答形式で1問2ページでブチブチ話が切れてしまう書き方だと、感情的に腑に落ちないもんなんだなぁと感じた。
だからなのか、そういえば実質たったの200ページしかなかったはずなのに、けっこう読むの面倒に感じました。


それと、この本のレビューとは関係ないけど、やっぱり顧客管理って好きになれないな~と思いました。
店員さんが覚えててくれることが嬉しいのだ、って書いてあるのですが、そうじゃない人もいる(認知されずに買い物したり食事したい人もいるし、そういう時もある。ときと場合による。)てのと、
「実際にその人が記憶や努力のメモなどで覚えててくれる」のが嬉しいのであって、データベースから逆引きして「覚えてる風」で言われるのって逆に詐欺っぽくない?
私だったらちょっとうざいかも。

マーケティングやセグメンテーションは少し間違えるとただのお節介だ、というのは、古くからのマーケティングの世界では言い古されていると思う。
いま流行りのナーチャリングとかに関しても、全く同じことが言えると思う。
兎に角、「売り付けられて困る商品やサービスがある企業の運用するサイトでは安易にメールアドレスを登録しない」が鉄則だね。
あるいは、こちら側は「誰とも顔を合わせずやっている」という感覚から、「実際に顔を見られながら店頭で吟味しているのと同じ」という感覚にシフトした方がいいのではないか、と思いました。
サンプルを手にとったら(資料をDLしたら)、話しかけられる(すぐに電話がかかってくる)ような。