4Gamer.net編集部,川上 量生 / ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!

2015-06-23お気に入り・おすすめ, 味わい本(じっくり読みたい), interest 好奇心, IT, manage-strat 経営・戦略・思考, social 社会

何かの折に連載記事にたどり着き、2記事読み終わる前に興奮してAmazonで即ポチした本。

ちょうど最初に読んだのが、任天堂の岩田社長が登場する最終回。
そして海燕氏が登場する第17回。


私が日頃考えていたテーマについて「なるほど!」というものがたくさん出てくる。
ゲーマーは深くうなずく話が多いのでは?と思うし、そうじゃない人も十分読めます。
フックとしてゲームの話は出てくるけど、話してる内容はゲームについてじゃない回も多いです。
私はFFとかパズルゲー程度しかしない所謂ライト層ですが、おそらくゲームのこととか知らなくてもかなり面白く読めます。

人間の欲とか、経営の話とか、結果的にそういう話をしてると思います。
記事でも無料ですべて読めるので要チェック。
http://www.4gamer.net/words/005/W00506/

「コンテンツ」について少しでも考えたことのあるビジネスマンは必読。

川上さんという方、色々と持論を展開するために批判もあるようですが、とても面白い視点と表現です。爽快。

個人的にも、ぼんやりと「何が"楽しい"、"面白い"を生むのだろう」とか「ストーリーが"面白い"のはなんでだろう」とか考えることがあって、前者に関しては17章の「遊びってなんだろう」のところはどんぴしゃりなネタがありました。なるほどね。
「コンテンツ」に関して、現場の人達ならではの素晴らしい見解や議論がたくさん出てきますので、コンテンツ業界にいる人は一読して損ないと思います。

川上さんがなぜジブリにいらっしゃるのかも、これ読んでるとなんとなくわかってきます。「コンテンツ」の理解が浅い人からすると「なんでニコニコ動画作った人がジブリに行くんだ?」と首を傾げそうですが、そういう人にはぜひこの本を読んでみてほしい。

「ソシャゲなんて時間の無駄遣い」と思っている方も必読!です。私も理解者でいるふりをしつつも、少々偏見があったのだな、と読んでいるうちに思うようになりました。


序盤はWebネイティブが知らないMMORPGの起こりとか、非常に興味深い話もあります。
所謂ソシャゲ、ネットワークゲーが多くの人の生活に入り込んできている昨今、これは知っておいて損はないです。たぶん、絶対。

ところで私はMMORPGの元祖?であるUltima Onlineって、ソシャゲ用語(デバフとか)を調べた時に初めて知ったのですが、一体何がそんなに神ゲー扱いされているのか、いまいち腑に落ちていなかった。これ読んでいて、「自由度が高いと感じさせるルールの配置」がものすごく絶妙だったのだなと理解。「オンラインでのセカンドライフなんて夢物語」派でしたが、この対談読んでたら、「確かにUltimaOnlineだったらセカンドライフ満喫してしまいそう」と思ってしまった自分がコワイ。
「人生は運ゲー」、「努力はサイコロを1回多く振る程度であって、必ず報われるわけではない」など、人間や人生とは?に対しても爽快な意見が並んでいて、「ふ~むなるほどね」と、一緒に対談している気分で読めます。
とってもおすすめ。


それからこれね、最初「クイック本」カテに入れようと思ってたんだけど、ボリュームも内容も多くて全然クイックじゃなかったので、笑 「味わい本」に追加です。
対談モノって大抵、キレイにまとめられすぎていて味わい足りない物がほとんどなので、これは珍しい。


その他

以下は自分用。面白かったところ引用メモしたり。
全体的に的を射すぎていてすごい量に!!

17章:
・他人への興味は、「自分と似ているところを探す」こと
・努力は必ず報われるとは限らない。ほとんどは運。ただ、努力することで確率を少し上げることはできる
・コミュニケーション能力が高い人材は「汎用性の高いブロック」なので、楽したいために採りたがる

「俺とお前は一緒じゃん」と言って,少しでも似ていたら「兄弟」にしてしまうのがヤンキーで,「僕と貴方,ここは違いますよね」みたいに,世間からみたら同じ種類の人間同士なのに厳密に区別したがるのがオタクなんだと。
人間の本質や人間の自我と呼ばれるものは,肉体的なところにあるんじゃなくて,精神的な部分にあるんじゃないか。そしてそれは,脳の前頭葉か何かに寄生している精神生命体なんじゃないか――という話ですよ。そっちが人間の「自我」と呼ばれるものを司っていて。
 よく,ミーム(※) というものがあるという話があるじゃないですか。人間の習慣だったり宗教だったりはミームの産物であって,人間同士でそういったミームをやりとりすることで,文化が広まっていく。人間は生物学的な遺伝子ジーンだけでなく文化的な遺伝子ミームからも影響されて出来ているっていうモデルです。
むしろ,努力したら(必ず)成功するっていう方がファンタジーですよ。
努力すると,その確率が多少上がったりってことはあると思いますが,大枠のところは運で決まるんです。後は環境との相性の問題で,社会的な成功っていうのはほとんどそれだけで決まると思う。
じゃあ,遊びの原点/本質はなんなのかって考えると,僕は「現実のシミュレーション」だと思うんです。例えば,ライオンの子供がじゃれて遊んだりするのは,狩りをシミュレーションしているんだって話があるじゃないですか。あれと同じで,遊びを繰り返すことで本番の成功確率を上げる,ひいては生存の確率を上げるってことが遊びの本来の意義だと思うんです。
遊びがなぜ面白いのか?というと,それってインセンティブですよね。生存の確率を上げるための練習をたくさんやってもらうために,楽しいって感情をインセンティブとして用意した。それが,“遊びを面白く感じる理由”なんだろうと思うわけです。
 だけど,昨今の(商業的な)コンテンツっていうのは,どんどん先鋭化していった結果,その練習するという部分を排除して,面白いって部分だけを感じさせようとする形になってきた。
つまり,コミュニケーション能力が高い人材っていうのは,とても汎用性が高いブロックというのかな,ほかと組み合わせやすい人材なんですよ。一方で,専門性の高いオタクというのは,歪な形をしたブロックだって解釈すると分かりやすくて。明らかに変な形をしていると,「この形のブロックはどう当てはめたらいいんだろう?」みたいな感じになるから,歪なブロックでチームを構築するのはとても難しいんです。


最終回:
・若年層は「情報が欠落した時の対応力が低い」
・仕事は「得意なこと」をやったほうがいい
・人間は矛盾に満ちているけど、行動力学はけっこう論理的に説明できる
・ゲームがハードの制約と共にあるように、Webもハード(サーバー)のことを意識していかざるを得なくなると思う
・新しいことをやろうとしたときは、賛成が約2割いる。それを33%にするまで頑張る。

情報に恵まれすぎているから,「情報が欠落したときの対応力がかなり低いんじゃないか」ってところです。
黎明期の「無から有を生み出す」ことをたくさんやってきた人達というのは,他では得難い経験をされてきた世代だと思います。何かを参考にしてものづくりをするんじゃなくて,「人間ってこういうことが面白いと感じるよね」っていうのを見つけて,それをプログラムというもので形にしていって,プロダクトに仕上げて,世の中に問うて,その反応を味わっているわけですからね。
好きじゃないけど得意なこともありますし,好きだけど,実はあんまり得意じゃないよっていうことも結構あって。だから,仕事というのは「得意なこと」をやった方がいいんです。
そもそも英語では,理系と文系っていうのを指す言葉が実はないじゃないですか。
ロジックというか,人間関係の力学,というか。世の中の人間関係って,実はかなりロジックで説明できるんです。
150になる組み合わせを見つけるのがマネージメントの仕事でもあって。それがうまく出来ると,問題は綺麗に解決するし,その会社やチーム自体もレベルアップする。それがね,私は面白くてしかたなかったんです。
例えば,何か新しい挑戦をしようとするじゃないですか。さっきもお話しましたけど,最初に賛成するのは2割,反対するのも2割くらいなんですね。で,頑張って努力していると,残りの6割の中で,ちょっとずつ賛成派が増えていくんですよ。
 そして,その人数が,全体の1/3くらいになった瞬間が臨界点で,一気にムードが変わって,残りの6割だった人がほとんど賛成派になる
逆に,新しい試みの多くが失敗する理由は,その2割が33%になるまでの時間がない,待てないからなんです