柏木 惠子 / おとなが育つ条件
前著、「子どもが育つ条件」から。
「子どもが育つ条件」と、言ってることがかなり被ってるので、前著を読んでいる人には新たな発見はあまりないと思います。
でも、大事なことが書いてあるので、どちらかを読む価値は十分ありそうです。
「幼児や青少年をどう育てるか」という視点はこの本にはなく、成人の発達について書かれていますから、前著を読んでいなくて「なんだか生きづらいんだけど、それは何でだろう」と悩んでいるおとな向けの本ですね。
子どもが生まれてから夫婦の関係がよくない、という人は、前著の方を読むのをおすすめします。
基本的に最初から最後までこの流れです。
既に感覚的にその文化を踏襲していては幸せに生きていけなくなる、と肌で感じている人や、なんだかモヤモヤしてる、子育てと仕事の両立に悩んでる、どうして私ばっかり?と思っている女性などもぜひ読んで欲しいです。
ただ、解決策はあまり出されていません。
前著と同じく、「いかに日本(人)が、文化や周囲に縛られて、時代に合った生き方ができていないか」を述べる内容に思います。
時代をよく察知しながら、「周囲との協調」という文化に囚われず、自らの幸せや価値観をしっかり見つめなおしてね。
「家事育児は女の仕事なんだから」「男は大黒柱として強く黙って仕事をするべきでしょ」とのプレッシャーに負けそうになったら、「いやそれがベストプラクティスだった時代は終わったからね。」とシレッと返答でき、自らの価値観に基づいてしっかり生きていける「おとな」になりましょう。
個人的には、前著を読んだ上で、「アイデンティティの確立」の具体的方法やケーススタディ、そしてその後の大人の発達課題とはどんなもので、そのためにはどうするべきなのか? という所を知りたかったのですが、本書はあまりそういった内容はないです。
特に男性にフォーカスして、「ケアされるだけの『もう一人の子ども』状態から、ケアする立場を経験することで、より柔軟な考え方ができるようになる。それが大人の発達にとって非常に重要である。女性はこのケアラーをもともと行っている場合が多いので、その意味においては男性よりも発達している」という旨の箇所はありますが、
アイデンティティの確立 → 自らも成長しているという実感 + ケアラーとしての経験による成長
しか見えてこなかったので、ちょっと残念です。
この点に関しては「AgingWell」のほうがずっとためになる内容でした。
それからやはり「それはあなたの思い込みかもしれないのに、結論にしちゃってません?」と突っ込みたくなる箇所がけっこうありますね。理系の論証の仕方ではないです。
言い切れないはずの所を、「そうに違いありません。」みたいな感じで言い切っちゃうところとか多いです。
ご自身は長年研究して、そういう結論を手にしたというのはわかるんですがね…。
まあでも、全体で言えば、ほぼほぼ柏木さんがおっしゃっている通りと私も感じます。
「子どもが育つ条件」と、言ってることがかなり被ってるので、前著を読んでいる人には新たな発見はあまりないと思います。
でも、大事なことが書いてあるので、どちらかを読む価値は十分ありそうです。
「幼児や青少年をどう育てるか」という視点はこの本にはなく、成人の発達について書かれていますから、前著を読んでいなくて「なんだか生きづらいんだけど、それは何でだろう」と悩んでいるおとな向けの本ですね。
子どもが生まれてから夫婦の関係がよくない、という人は、前著の方を読むのをおすすめします。
時代や文化的背景にアイデンティティを失いがちな日本人
- 日本人は他の国と比べ、「周囲と協調する」ことを良しとする文化規範である
- そもそもの特性というよりも、時代や文化が「よしとすること」に従おうとすることで人の価値観はでき上がるもの
- 日本の「周囲との協調が大事」という文化は悪いことではないが、既に過去の「男は弱音を吐かず強く仕事、女は半歩下がって控えめに家事育児」という文化では上手く行かなくなっているという世の中の状況をよく見ましょう
- この矛盾が、日本(人)が抱える現代の様々な問題の要因の一つですよ
基本的に最初から最後までこの流れです。
既に感覚的にその文化を踏襲していては幸せに生きていけなくなる、と肌で感じている人や、なんだかモヤモヤしてる、子育てと仕事の両立に悩んでる、どうして私ばっかり?と思っている女性などもぜひ読んで欲しいです。
ただ、解決策はあまり出されていません。
前著と同じく、「いかに日本(人)が、文化や周囲に縛られて、時代に合った生き方ができていないか」を述べる内容に思います。
時代をよく察知しながら、「周囲との協調」という文化に囚われず、自らの幸せや価値観をしっかり見つめなおしてね。
「家事育児は女の仕事なんだから」「男は大黒柱として強く黙って仕事をするべきでしょ」とのプレッシャーに負けそうになったら、「いやそれがベストプラクティスだった時代は終わったからね。」とシレッと返答でき、自らの価値観に基づいてしっかり生きていける「おとな」になりましょう。
個人的には、前著を読んだ上で、「アイデンティティの確立」の具体的方法やケーススタディ、そしてその後の大人の発達課題とはどんなもので、そのためにはどうするべきなのか? という所を知りたかったのですが、本書はあまりそういった内容はないです。
特に男性にフォーカスして、「ケアされるだけの『もう一人の子ども』状態から、ケアする立場を経験することで、より柔軟な考え方ができるようになる。それが大人の発達にとって非常に重要である。女性はこのケアラーをもともと行っている場合が多いので、その意味においては男性よりも発達している」という旨の箇所はありますが、
アイデンティティの確立 → 自らも成長しているという実感 + ケアラーとしての経験による成長
しか見えてこなかったので、ちょっと残念です。
この点に関しては「AgingWell」のほうがずっとためになる内容でした。
それからやはり「それはあなたの思い込みかもしれないのに、結論にしちゃってません?」と突っ込みたくなる箇所がけっこうありますね。理系の論証の仕方ではないです。
言い切れないはずの所を、「そうに違いありません。」みたいな感じで言い切っちゃうところとか多いです。
ご自身は長年研究して、そういう結論を手にしたというのはわかるんですがね…。
まあでも、全体で言えば、ほぼほぼ柏木さんがおっしゃっている通りと私も感じます。