さくらももこ / そういうふうにできている

2017-09-06クイック本(さくっと読める), non-fiction ノンフィクション

そういうふうにできている (新潮文庫)さくらももこさんがこのタイトルでエッセー出してることはなんとなく知ってて、偶然入った古本屋で見つけたので購入。

さくっと読めます。

おすすめ。

くすっと笑える妊娠エッセー

読み進めて初めて「これ妊娠に関するエッセーだ」と気づくw

ももこさんが面白可笑しく、でも真面目で深い妊娠話を繰り広げていく内容です。

おそらく、似たような「私の壮絶な妊娠日記」的な書籍や文章ってたくさんあると思われるのですが、
最初に読んだのがこれでよかったなーと思います。

やっぱり多くの人に末永く愛される作品を作り出す人達って、オトナだなーと思ったり。
(どうでもいいけど、この人「小花美穂」さんに結構似てるな、、、と思った次第。性格というか文章というか。)

妊娠時の「どんなに辛いか」「こんな特殊な体験をした」云々のエピソードは本当に人それぞれだと思いますが、ももこさんの「俯瞰」視点は嫌味が少しもなく非常に読みやすいです。

加えて、妊娠を勧めるものでも、勧めないものでもないということもちゃんと書いてあります。
妊娠しない人は妊娠した人とは違う体験を享受するのであり、どちらが素晴らしいとか偉いということではないと思う…
という趣旨の文章もサラッと入っていて好感度が高いです。


帝王切開、旦那さん

出産が帝王切開になる過程は見どころかなと思います。

文字通り「腹をくくる」心境になるところは、なにか辛い現実に向き合わなくてはならなくなった時、参考にしたいところ。

ところで自然分娩の時って会陰切るの?まじ?

それからちょくちょく出てくる旦那さん。

この人がめっちゃステキなんですよね。

たいしたエピソードも無いし、旦那さんにフォーカスした箇所はほぼ無いのですが、誠実で優しくて素敵な人なんだろうなあ、と思いました。

例えば、産院が決まらなかった時、百恵さんに相談してみたら?、とももこさんに勧めるエピソード。

おそらく、百恵さんが使ったところなら安心というのに加え、ももこさんが百恵さんのことを大好きだから、百恵さんが言うなら安心できるだろう、と思ったんでしょうね。

旦那さんGJすぎ。


肉体と魂と心の話

出産時の体験から、この3つは違うという結論を得た、とももこさん。

かなりスピリチュアル的な内容ですが、どんな体験から、なぜそう思ったのかがちゃんと書かれていて面白いです。

付録のビートたけしさんとの対談でも同じ話が出てきます。

個人的には、魂も心も結局のところは脳の電気信号が生み出すものだと思ってるので、同意はしませんが、納得はできました。

ここは人によってかなり意見が違うと思うので、そういう意味においても面白い箇所です。

まあでも、妊娠〜出産そのものが、日常生活に比べて非常に神秘的な体験であることは間違いないのでしょうね。
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男性にもおすすめです。