The Glenn Miller Story
シネマトゥデイの「金曜レイトショー」にて。
私が観た映像は彩度が低かったせいか、脳内では白黒で観たつもりになっていましたが、カラー映画だそうです。
Trailer見ると鮮やかなカラーですね。
「真珠の首飾り」「茶色の小瓶」「ムーンライト・セレナーデ」など、グレンミラーオーケストラの名曲が散りばめられているので心地よいこと間違いないです。
なにより二人の愛や、二人で一緒に夢を実現していくという描写がわざとらしくなく、一つ一つのシーンがとても素敵。
グレンミラーといえば吹奏楽やビッグバンド、というイメージしかありませんでしたが、もともとトロンボーン奏者でアレンジャーだったのですね。
そして音楽も素敵だけど、奥様の良妻ぶりがまた、すごいのですよ。
「本当に自分のやりたい音楽を実現するなら、自分で楽団を作るしかない」という話になったとき、すでに結婚済みで「そんなお金はない…」と嘆くグレンミラーに、スッとへそくりを差し出す奥様。
そのへそくりは「毎月、あなたのお給料からくすねて貯めておいた」と言う。
そんな素敵なことある!?
どこまで本当なのかは分かりませんが、作品の流れをノンフィクションだと信じるなら、本当にそういう奥様だったのでしょう。
もともと奥様は「夢を語るグレンミラー」に惹かれていたのですよね。
二人が結婚するシーン、グレンミラーがかなり強引に話を進めて決まってしまうので、奥様がグレンミラーのどのあたりを素敵に思ってプロポーズを受け入れたのか、正直よくわからなかったのです。
でも結婚後、「安定した収入が見込める仕事をする」というグレンミラーに対して「あなたがやりたいと言っていた音楽はどうするつもりなの?」と詰め寄り、「そうだな、チャレンジしてみよう」とやる気を取り戻したグレンミラーに、夢を追っていたころの師匠の電話番号をスッと差し出す…。
ああそうか。グレンミラーが昔から、情熱をもって夢に立ち向かっていたことを知っていたから、久しぶりに連絡してきた元彼の突然の強引なプロポーズでも受けたのですね。そういう彼が好きだから。ということなのでしょう。
34歳の時にオーケストラを結成し、人気を博してから軍人になり、1944年に亡くなっています。
グレンミラーは軍人に志願することを妻に告げるとき、「僕の曲を愛してくれている若い人たちが戦場に行っている。僕だけ行かないなんてことは我慢できないんだ」といったことを告げ、「怒るかい?」と聞く。
妻は「怒るわよ。でも、行かないと言うならもっと怒るわ。」と言う。
そして軍人になってからも、軍人たちに心休まってほしい、という思いで軍部にオーケストラを結成し、前線にいる兵士たちに音楽を届けていた。
すごいですよねぇ。
昔の映画なこともあって過度な演出もないので、映画としてはわりと淡々と進むのですが、「自分がよいと思った音楽を実現する」ことだけでもすごいのに、「(それを愛してくれている)人々のために」権力組織の内部で自ら楽団を作ってしまおうなんて。
「自分がそれを好き」なだけではなく「それが人々の心を救う」と、心から音楽の力を信じていたのだと思います。
最後、乗っていた飛行機が行方不明になってしまって死亡したことになるのですが、どのように亡くなったのか、いや、そもそも本当に(そのタイミングで)亡くなったのか、一部では議論があるようです。
時代が時代なので、そういう、誰かが亡くなるということに対して、理由も状況も、そもそも真偽も分からないということが当たり前に発生していたのだな、と改めて思うエピソードですね。
グレンミラー本人の音楽への信頼と情熱、奥様の力強い実行力と信頼で、今も愛される音楽や楽団が生まれたことがわかる、素敵な一本でした。
私が観た映像は彩度が低かったせいか、脳内では白黒で観たつもりになっていましたが、カラー映画だそうです。
Trailer見ると鮮やかなカラーですね。
情熱と信頼と愛の名作
夢を追いかけてそれを手にしたグレンミラーと、それを積極的に後押しした奥様、二人を中心とした伝記映画。「真珠の首飾り」「茶色の小瓶」「ムーンライト・セレナーデ」など、グレンミラーオーケストラの名曲が散りばめられているので心地よいこと間違いないです。
なにより二人の愛や、二人で一緒に夢を実現していくという描写がわざとらしくなく、一つ一つのシーンがとても素敵。
グレンミラーといえば吹奏楽やビッグバンド、というイメージしかありませんでしたが、もともとトロンボーン奏者でアレンジャーだったのですね。
そして音楽も素敵だけど、奥様の良妻ぶりがまた、すごいのですよ。
「本当に自分のやりたい音楽を実現するなら、自分で楽団を作るしかない」という話になったとき、すでに結婚済みで「そんなお金はない…」と嘆くグレンミラーに、スッとへそくりを差し出す奥様。
そのへそくりは「毎月、あなたのお給料からくすねて貯めておいた」と言う。
そんな素敵なことある!?
どこまで本当なのかは分かりませんが、作品の流れをノンフィクションだと信じるなら、本当にそういう奥様だったのでしょう。
もともと奥様は「夢を語るグレンミラー」に惹かれていたのですよね。
二人が結婚するシーン、グレンミラーがかなり強引に話を進めて決まってしまうので、奥様がグレンミラーのどのあたりを素敵に思ってプロポーズを受け入れたのか、正直よくわからなかったのです。
でも結婚後、「安定した収入が見込める仕事をする」というグレンミラーに対して「あなたがやりたいと言っていた音楽はどうするつもりなの?」と詰め寄り、「そうだな、チャレンジしてみよう」とやる気を取り戻したグレンミラーに、夢を追っていたころの師匠の電話番号をスッと差し出す…。
ああそうか。グレンミラーが昔から、情熱をもって夢に立ち向かっていたことを知っていたから、久しぶりに連絡してきた元彼の突然の強引なプロポーズでも受けたのですね。そういう彼が好きだから。ということなのでしょう。
戦時中という時代背景
グレンミラーが生まれたのが1904年、グレンミラーオーケストラの結成が1938年。34歳の時にオーケストラを結成し、人気を博してから軍人になり、1944年に亡くなっています。
グレンミラーは軍人に志願することを妻に告げるとき、「僕の曲を愛してくれている若い人たちが戦場に行っている。僕だけ行かないなんてことは我慢できないんだ」といったことを告げ、「怒るかい?」と聞く。
妻は「怒るわよ。でも、行かないと言うならもっと怒るわ。」と言う。
そして軍人になってからも、軍人たちに心休まってほしい、という思いで軍部にオーケストラを結成し、前線にいる兵士たちに音楽を届けていた。
すごいですよねぇ。
昔の映画なこともあって過度な演出もないので、映画としてはわりと淡々と進むのですが、「自分がよいと思った音楽を実現する」ことだけでもすごいのに、「(それを愛してくれている)人々のために」権力組織の内部で自ら楽団を作ってしまおうなんて。
「自分がそれを好き」なだけではなく「それが人々の心を救う」と、心から音楽の力を信じていたのだと思います。
最後、乗っていた飛行機が行方不明になってしまって死亡したことになるのですが、どのように亡くなったのか、いや、そもそも本当に(そのタイミングで)亡くなったのか、一部では議論があるようです。
時代が時代なので、そういう、誰かが亡くなるということに対して、理由も状況も、そもそも真偽も分からないということが当たり前に発生していたのだな、と改めて思うエピソードですね。
グレンミラー本人の音楽への信頼と情熱、奥様の力強い実行力と信頼で、今も愛される音楽や楽団が生まれたことがわかる、素敵な一本でした。