村上龍 / 希望の国のエクソダス

2015-05-09お気に入り・おすすめ, novel 小説

中学3年生(15歳)のときに読んだ本。 久々になんとなく読み返してみました。
以下、全然レビューではないです。。


初めて読んだときポンちゃん(14)と同世代だった私は、ポンちゃんが野幌市でイクスを運用している世代になりました。


中学生の頃読んだときは正直何もかっこいい感想がいえなかったんですが、「わかるわかる」「こういうところが、大人社会で理不尽・おかしいと思う」っていう感覚は強く共感したのを覚えてます。

今読み返すと、私が今、正当だと感じているやりとりの基盤になっているエピソードが、ポンちゃんたちだったのかもしれないなぁと思った。


ただし、今になって言えるけど、彼らには希望がない。
ポンちゃんたちは、「日本には何でもある。けれど希望だけがない」って言うけど。
自分にとっての幸せを考え抜かずに、明確なビジョンを持たずにただ実行を繰り返した。だからラストに、変な閉塞感がある。



と、まぁそんなことはさておき
私が偶然にもいま研究テーマに選んでいる「地域通貨」、よく考えたら初めてであったのは実はこの作品でした。 ポンちゃんたちのエピソードが心のどこかにあったから、イメージとしての偏見もないし希望も感じるのかも。



全体的な日本の有様については、実際はこの作品ほど腐ってきてはいない。経済圏では円がアタックを受けるまではなくとも危ういものを感じるけど、

人が、この作品ほど腐ってない。

ていうか、いろんな意味でスゴイ人は実はたくさんいて。 まだまだ、日本はいけるんじゃないかなー 


といろいろ考えさせられました。
で、また数年後、読みかえすんだろうなぁ、と思う。