エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ / How Google Works

2015-06-01IT, manage-strat 経営・戦略・思考

知り合いが面白かった、と言っていたので購入。

Googleがどうやって組織運営しているのか、エピソードとともに垣間見れる本です。

本書では「スマート・クリエイティブ」という名の、いわゆる超人ばっかり出てくるし、「成功した超人たちの成功体験を並べられても…」という感じもなくはない。

Googleはけっこう初期から大きい会社と思われるので、中小零細が「ベンチャーだ!」という一括りでこの本の内容を模倣することは非常に難しいと感じる。
でも色々とヒントにはなるんじゃないでしょうかね。面白く読めます。



文化、戦略、人材、意思決定、コミュニケーション、イノベーション、の各章でまとまってます。

以下は気になったポイントなど。

金曜日のTGIF

毎週1回、全社にオープンな会議。
社内の情報はオープンにせよ、的な文化があり、そこでも活発に意見交換や情報の供給がなされているらしい。

普通、会社員は組織内でもいろいろな思惑があるから、何でもかんでもオープンにってわけには行かないのだが、Googleはフラットな組織であるし情報を隠すなという文化のようです。

それができたらそりゃスゴイ、と思う。
ある程度の人数を超えてくるとコミュニケーションのありようってかなり大きく変わると思うのですが、Googleが規模を大きくしても、オープンでフラットでイエスを言い合う文化を運営できているというのはすごいです。


採用は一番大事な仕事

経営者の一番大事な仕事は採用だ、と言い切ってますね。
特にベンチャーで名物社長のような、社長自身の営業力とかで組織を作ってきた場合は、この概念難しいですよ。
自分のやり方やこれまでの実績などに愛着もあるだろうし、心から「俺のやり方じゃないと駄目だ」(人の力を信用しない)と思っている人も少なくないだろうと思う。
好きで小さい会社をやって満足しているぶんには全く問題ないかもしれないけど、成長したり、規模を大きくしたりしたいなら、経営者は採用に一番力を入れるべきでしょうね。

中小企業は、そもそも応募がない場合がほとんどだと思うのでGoogleのような強気な採用はできないかもしれないですが、心粋はヒントになるのでは。


以下はいつもどおり自分用メモとして。

サシでの会議では5項目リストを持ち寄る

話し合うべき項目5つを予めリストにして持ち寄り、被った項目を話し合うという小技。
もし全くかぶらなった場合はもっと深刻な問題があるはずだよね、と。

表現はやや曖昧だけど、確かに、このフォーマットのどれかには該当しそうなので、しっかり頭の中を整理しておく/整理し合って認識を一致させるというのは、実際かなり実用的だと思う。

ぜひやってみよう。

フォーマット:
1,職務に対するパフォーマンス
 └ 売上数値など
 └ プロダクトの発売、あるいはプロダクトのマイルストーンなど
 └ 顧客からのフィードバック、プロダクトの品質など
 └ 予算数値など

2,他の部署都の関係(一体感・一貫性)
 └ プロダクトとエンジニアリング
 └ マーケティングとプロダクト
 └ セールスとエンジニアリング

3,マネジメント・リーダーシップ
 └ 部下の指導・コーチングをしているか?
 └ 質の低い社員を選り分けているか?
 └ 採用に真剣に取り組んでいるか?
 └ 部下たちを英雄的行動に駆り立てているか?

4,イノベーション
 └ 常に前進しているか。どうすれば常に向上できるか考えているか?
 └ 新しい技術、プロダクト、仕事の方法を常に評価しているか?
 └ 自分と業界・世界のトップ企業を比較しているか?