荻原 浩 / 海の見える理髪店
お盆ですね。
少しまいっていたときに、気晴らしに選んだ小説。
荻原さんの作品は、なんと10年前に「神様からひと言」を読んでいて、また、「明日の記憶」を観たこともあり、私が知る数少ないフィクション作家さんの中でも、「いい」作家さんです。
軽快な文章でさくさく読めるのに、時にはぐっと来て涙し、でも、読後感はとてもさわやかな倦怠感。
これぞ萩原節。
家族というテーマでのオムニバスで、6作品入ってます。
「家族という病」という本がベストセラーになっていたり、「家族」という縛りに、生きづらさを抱えている人もきっと多いと思います。
「家族」という単位は今後変わっていくだろう、といった近々未来のテーマなどもよく見かけます。
まあでも、お盆くらいは、普段の柵を忘れ、命を繋いできた人と人との関係性に、ただただ頭を垂れる、というのもいい。
そんな気持ちにさせてくれる本。
設定からして、綺麗な情景が浮かんでくる、素敵な作品。
店主の昔話にもぐっとくるものがあり、引きこまれます。
男性なら、主人公の「床屋のシャンプーって下向きだったっけ」「髭も剃ってくれるんだ」「ぐっと掴まれてざくざく切られる」という、施術(?)の描写にも共感できて、気持ち良いのでは。
終盤は、「ああ、なるほどね」という展開。
どちらの立場でも、グッとくる内容になってます。
あまり希望を描く作品ではありませんが、じんわりと胸に来ますね。
いざ、改めてそうなったら、きっとこんな感じなんじゃないでしょうかね。
荻原さんはコピーライティング出身らしい。
秋元やすすとか、ほぼ日のイトイさんとか、ライティングをする人たちって、人の気持ちが分かるというか、抽象化するの本当にうまいですよね。
閑話休題。
中身は平凡ですが、微炭酸レベルでSF要素(すこしふしぎ要素)があり、こちらもじんわり胸が暖かくなる作品です。
親、兄弟、夫、子供、と全て出てきますが、どれもすっきりまとまってます。
そうそう、これら関係者の中で泳がなきゃいけないのが、「結婚出産後の女子」なんだろうな。
死んだ親の形見時計を持って、古い時計屋へ行く…。
そしてお年を召した時計屋さんが、止まった時計についていろいろと語りだし…という内容。
ノスタルジックな描写が多いので、きっと田舎に帰った気持ちで読めます。
でも、希望のある終わり方です。
近しい肉親が亡くなったことのない私にとっては、主人公夫婦の悲しみは少し新鮮でした。
なにもしないと、本当に主人公たちのように暗黒ループにはまるんだな、と、一緒に暗黒ループに入りそうな気分に。
本当に鈴音はそう言うだろうか?と問いたくなってしまう楽しさや、ちょっと変な方法で暗黒ループをぬけ出す仮定に、こちらも希望をもらえます。
以上。
「空はいつもスカイ」に関しては正直全くよくわからなかったので、コメントを飛ばしてあります。
私にはまだ早かったらしい。。
そんなわけですが、全体通してとてもよいです。
お盆前にぜひ、さくっと読んでから里帰りしたいところ。
少しまいっていたときに、気晴らしに選んだ小説。
荻原さんの作品は、なんと10年前に「神様からひと言」を読んでいて、また、「明日の記憶」を観たこともあり、私が知る数少ないフィクション作家さんの中でも、「いい」作家さんです。
お盆ですね。
お盆を意識して選んだわけではないのですが、結果的に、お盆(の少し前)に読めて、とてもよかったなぁと思います。軽快な文章でさくさく読めるのに、時にはぐっと来て涙し、でも、読後感はとてもさわやかな倦怠感。
これぞ萩原節。
家族というテーマでのオムニバスで、6作品入ってます。
「家族という病」という本がベストセラーになっていたり、「家族」という縛りに、生きづらさを抱えている人もきっと多いと思います。
「家族」という単位は今後変わっていくだろう、といった近々未来のテーマなどもよく見かけます。
まあでも、お盆くらいは、普段の柵を忘れ、命を繋いできた人と人との関係性に、ただただ頭を垂れる、というのもいい。
そんな気持ちにさせてくれる本。
海の見える理髪店
表題作にもあるこの作品。本のカバーイラストもこれですね。設定からして、綺麗な情景が浮かんでくる、素敵な作品。
店主の昔話にもぐっとくるものがあり、引きこまれます。
男性なら、主人公の「床屋のシャンプーって下向きだったっけ」「髭も剃ってくれるんだ」「ぐっと掴まれてざくざく切られる」という、施術(?)の描写にも共感できて、気持ち良いのでは。
終盤は、「ああ、なるほどね」という展開。
どちらの立場でも、グッとくる内容になってます。
いつか来た道
これはね、「血縁関係で生きづらさを感じたことのある人」にしか共感できない作品かもしれません。あまり希望を描く作品ではありませんが、じんわりと胸に来ますね。
いざ、改めてそうなったら、きっとこんな感じなんじゃないでしょうかね。
遠くから来た手紙
荻原さんの女語りを読むたび、というかあらゆる職種や立場で語る作品が多いことにいつも驚くのですが、こちらも例に漏れず「結婚出産後の女子の気持ち、なんでそこまで分かるの?」と聞きたくなることうけあい。笑荻原さんはコピーライティング出身らしい。
秋元やすすとか、ほぼ日のイトイさんとか、ライティングをする人たちって、人の気持ちが分かるというか、抽象化するの本当にうまいですよね。
閑話休題。
中身は平凡ですが、微炭酸レベルでSF要素(すこしふしぎ要素)があり、こちらもじんわり胸が暖かくなる作品です。
親、兄弟、夫、子供、と全て出てきますが、どれもすっきりまとまってます。
そうそう、これら関係者の中で泳がなきゃいけないのが、「結婚出産後の女子」なんだろうな。
時のない時計
こちらも、まさにお盆ぽい。死んだ親の形見時計を持って、古い時計屋へ行く…。
そしてお年を召した時計屋さんが、止まった時計についていろいろと語りだし…という内容。
ノスタルジックな描写が多いので、きっと田舎に帰った気持ちで読めます。
成人式
こちらはちょっと悲しい内容。でも、希望のある終わり方です。
近しい肉親が亡くなったことのない私にとっては、主人公夫婦の悲しみは少し新鮮でした。
なにもしないと、本当に主人公たちのように暗黒ループにはまるんだな、と、一緒に暗黒ループに入りそうな気分に。
本当に鈴音はそう言うだろうか?と問いたくなってしまう楽しさや、ちょっと変な方法で暗黒ループをぬけ出す仮定に、こちらも希望をもらえます。
以上。
「空はいつもスカイ」に関しては正直全くよくわからなかったので、コメントを飛ばしてあります。
私にはまだ早かったらしい。。
そんなわけですが、全体通してとてもよいです。
お盆前にぜひ、さくっと読んでから里帰りしたいところ。