ボヘミアン・ラプソディ

2019-09-12史実に基づく・史実がベース, 洋画

劇場にて。
私はQUEEN第3世代らしいですね。

ロングランすぎる。

すでに観てからだいぶ経っている※のですが、まだ上映してますね。
(※記事を書いているのは2019年4月)



再現性の高さにやられる

もうかなりバズり終えたといいますか、「なぜこんなにヒットしたのか」みたいな解釈記事もあったりしますので今更感ハンパないですが、直後を思い出して書いてゆきます。


まずは言わずもがな、フレディ役のラミ・マレック。
生粋のファンが見れば違うのかもしれませんが、再現ドラマとしてはほぼ満点なんじゃないでしょうか。

顔も似てますが、とにかくその立ち振る舞いですよね。
ライブパフォーマンスシーンは本当に似ているし、ご本人の私生活がどんなだったかはもちろん知りませんが、本当にこんな感じだったんだろうなぁと思わせられる、すごい演技。

再現性が高すぎたり、迫真の演技すぎると、この人オリジナル死んじゃってない?大丈夫かな?と思ったりしますが、この人にも思いました。
役落とし、大変だったんじゃないでしょうか。

他の三人、ブライアン・メイ、ジョン・ディーコン、ロジャー・テイラー役も、好演。
そもそも私はその三人についてはフレディ以上にほとんど知らないので、「再現性が高い」かどうかは分からなかったのですが、違和感は全くなくストーリーに入り込めました。


そしてなんと言っても、最後のコンサート(ライヴエイド)の再現ですよね。
コンサート会場だけでなく、ラジオで聞いている人たちも一体となって盛り上がっていくという描写。
本当にそうだったかはともかく、アツい演出です。こういう盛り上げ方は欧米はウマい。
演者たちや演奏が似ているかどうかを通り越して、普通にライブとして楽しかった。

「一応知っているイイ曲」、をあの臨場感でやられたら楽しくないわけがない。
コンサートシーンは20分間もあるらしいのですが、20分間もあったなんて全然感じなかった。
あれは普通にライブビューイング。
歌いたくなる。声を出して歌ってもいい「応援上映」に行きたくもなります。


「史実と違う」と言われている件

映画を観たあとに、気になってwikiやら批評記事やら読んで知ったのですが、けっこう史実と違うらしい。

私はファンというわけではないので、単純に楽しく映画が見れて満足ですが、ファンから見たら大事な史実をすっ飛ばしたり入れ替えたりしてフレディへの冒涜、、と思った人も、中にはいるのかもしれません。

私が詳しい人間だったら絶対突っ込んでますし、「なんでそこ変えた?そここそQUEENたる所以だろ」…とか言っていたと思います(^^;

当初構想のフレディ役のサシャ・バロン・コーエンが「大人向けの伝記映画」を想定してたのに、ファミリー層向けにしたがった現役QUEEN(ブライアン・メイとロジャーテイラー)が「ファミリー層向けにしたい」と言うので方向性の違いで降りた、なんていう話もあるらしい。
ここで言う「大人向けの伝記映画」のほうが、「ファミリー層向け映画」よりも「史実に沿う」のかどうかは分かりませんが、一般的に考えてファミリー層向けはより分かりやすくデフォルメしたいでしょうから、やはり「史実と違う」程度は大きくなると思います。

確かに自分が当事者だったら、生々しさとか苦さとかは必要以上に描写しなくていいから、フレディへの敬意も込めてファミリー向けに分かりやすくしてほしい、という気持ちにもなるかもしれません。現役の二人がそうしたがったのも分かる気がします。

それでも、LGBTに関する問題提起を多くの人に対して行ったのは事実。
フレディのゲイとしての生き辛さや病気の怖さ自体は描写されていますから、「ファミリー層向け」であったとしても、彼らをテーマにしたからこそ、の作品の意義は十分にあると思います。


まあ、ややこしく考えなくても、商用なのである程度フィクションが混じるのはおかしくないし、なによりQUEENが実在しなかったとして完全なフィクションだとしても、これはけっこう面白い映画になる脚本だと思うのです。

「完全なフィクションだと思って観て満足してたら、クレジットで“モデルとなった実在の本人のその後”について、が表示されてビビりまくる」と言うことが稀にありまして(笑)
※例えばCatch Me if you can とかですね。笑

もしもQUEENを全く知らず、フィクションだと思いこんで観ても、たぶん面白いですよね。あの映画。
なので、単純に娯楽映画としてはやはりいい出来だと思います。



ところで、こちらはいまいま記事を検索していて知ったのだけど、LGBTの監督がレイプ疑惑で途中降板(作製側はそれが理由とは言っていないみたいだが)など、なかなかスキャンダラスな経緯もあるみたい。
私はそのニュースが日本で出ていた2019年1月は忙しすぎたのでそのニュース自体を知らなく、当然世間の反応を知らないけど、たぶんあまり騒いでないですよね。

日本はライトファンが多い(?)から、作品がよければそれでいい、という感じなのかな。
それはそれで気になるところです。


生々しさも描写されている「QUEENの大人の伝記映画」が公開されたら、そちらもぜひ観てみたいなーと思います。