CITY HUNTER the movie 史上最香のミッション
ポスターの構図とかにもすでにリスペクトが溢れてて、数字が取れそうな設定とか版権だけもじって適当に作った映画じゃないぞ、これは、と。
“公式に格上げされた二次創作”
と言っても良いでしょう!原作への愛に溢れていたし、シティーハンターをあまり知らなくても娯楽映画として普通に面白いです。
映画館で久しぶりに肩を揺らして笑いましたよ…。
監督であり主演でもあるフィリップ・ラショー氏は、自分で脚本を書いて原作の北条さんに見せに行き、正式にGOをもらったらしい。
その時点で、北条さんに「原作にも入れたかった」と言われるほどの着眼点と完成度。
これはとんでもない褒め言葉ですよね。
原作者の意図するところを、ほとんど完全に理解できていないとこんな言葉は出てこない。
私は友人曰く「原作原理主義過激派」だそうで(笑)、二次創作やメディアミックスを展開する際、「原作者が意図した大事なところが削られているどころか冒涜されているじゃないか!!」とブチ切れる事が多い(※)のですが、この作品はそういった違和感が一切なかった。
例えば「新宿プライベートアイズ」に関しては私はボロクソな評価をしており、作者からのコメントも「僕が若い頃の作品だし、もう僕には描けない」という、かなりドライなもの。
フィリップ版は「原作に入れたかった」ですよ。テンション全く違うw
※最近の「ブチ切れ作品」
・新宿プライベートアイズ
・実写版「GHOST IN THE SHELL」
・アニメーション映画版「この世界の片隅に」
シリアス&コメディーを実写で表現する力
そして違和感がないだけでなく、「もっこり」「100tハンマー」「やるときはやるしめっちゃカッコイイ」という「言うのは簡単だけど表現するのはめっちゃ難しい」というこの3大設定、ほぼ完璧に表現しきってます。カッコいいキャラがカッコイイことするシーンって割とやりやすいと思うんだけど、普段極端にアホなことしてるキャラが「やるときはやるしめっちゃカッコイイ」を実写でやれって言われたらかなり難しいのでは。
カッコイイシーンといえば、クライマックスで香と獠が向かい合わせの体制で打ち合う(そして香はセオリーどおり下手くそなのでそれをちゃんと獠がフォローする)というアツいシーンが…!
プライベートアイズを観たときに「ファルコンと獠はせめて背中合わせで助け合うとかしてほしかった…」「香が自分勝手すぎるし足手まといなだけやんけ…こんなん香じゃない…」と書いたのですが、このシーンを見て
そうこれ! これだよ!! と内心で興奮。笑
プライベートアイズの溜飲を、フィリップ氏が全部下げてくれました…笑
こういうのを、原作オマージュのシーンや言い回しでつなぎながら、オリジナルストーリーでやりきる(しかも実写演技)というのは本当にすごい。
唯一入っていなかったもの:依頼人の家族愛の話
唯一、北条節である「依頼人の家族愛の話」はあまり入ってなかったんだけど、「獠と香」の関係にフォーカスして1作品単品で描きたいなら、無くても全然行けるんだなと。今回はコメディータッチなのに兄貴(秀幸)のくだりも出てきて、真面目なところはちゃんと真面目にやってて本当に「CHを知らない人」でも一応分かるようになってた。
ここで依頼人の家族の事情とか入れ始めると感情が分散しちゃってただろうから、本作単品で考えれば良い選択だったのだと思います。
もしも続編がありうるのだとしたら、「依頼人の家族愛」が入ってないと「北条リスペクトとは思えない…」とか言うてる可能性がありますが。笑
フィリップ・ファミリーの威力
そうそう。そもそも主演が監督でもあるというのをパンフレットを読んで初めて知りました。
香役の女性がフィリップのパートナーでもあることとか、他の重要キャラ(パンチョとハゲ)もフィリップの作品でもともと活躍している俳優兼脚本家といった顔ぶれらしい。
これも良い意味で「二次創作」だと思う理由の1つでもあるのですよね。
いつもはこういう「身内」感のある裏事情を知ると、「なんだ、結局、いい作品に仕上げるために誰を配役するのがベストかって考えるのではなく、自分たちに都合がいいかどうかなんだな」みたいな気分になり、いい印象がないのです。
でも本作はちゃんとリスペクトを感じる内容だったので、それをやりきる俳優陣と、それを意図通り撮る自信があるというフィリップの采配は流石なんだな、と逆に感心してしまいました。
変にどこかに媚を売るのではなく、自分のリスペクトを信じて信頼できる俳優陣で撮りきったという、もうそれ二次創作だよね?w (褒めてます!)
本作で出来上がってしまっているから、続編はつくらないでほしい…!
予定されていなかった二作目はだいたいどんな作品でも微妙になる…!
と思いながらも、フィリップだったら素晴らしい続編にしてくれるかも、との期待も。
というわけでもし続編が出たら、ぜひまた期待して観に行きたいなぁと思います!
P.S.ファルコンがファルコンすぎる。
あ、それと山寺さん吹替版で観ました。
神谷さんが「これは僕には出来ない」と言ってオファーを蹴って山寺さんをゴリ推した、とパンフレットで語っており、「さすが神谷さん、分かってる!! ありがとう!!」と思った…。
(さすがにもうお声がね…、少しお歳なので…。)
沢城さんもGJでしたよ。ちゃんと香でした!
















